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2024年10月1日火曜日

『航平は日本人であり、中国人でもあります』

『航平は日本人であり、中国人でもあります』

航平は昆虫や爬虫類が大好きで、どんな小さな生き物にも目がない、独特な視覚を持つ子供でした。
誰よりも優しい心の持ち主です。 幼い頃から絵を描くのが好きで、日本語と中国語の両方に堪能な語学の才能もありました。 彼は私と一緒に深圳に行くことをためらっていました。 食べ物にうるさい彼は、最初は現地の食事にはなじめなかったが、最近はだいぶ好きな食べ物が多くになり、始めたばかりのバスケットボールにも夢中になっています。

航平が突然私たちの元を去ったことには、私はまったく心の準備ができていない今、心は混乱と果てしない悲しみでいっぱいです。 彼がどのように成長し、大人になっていくのか、もう見ることができません。
彼を守れなかったことは、一生釈然のできない後悔になるでしょう。
航平は日本人であり、中国人でもあります。 母親は10年近く日本で暮らした中国人であり、父親は人生の半分近くを中国で過ごした日本人です。 航平自身も、3歳までの人生のほとんどを中国の家で過ごしました。 何が報道されようと、彼が日本人と中国人の両方のルーツを持つという事実は変わらない。
私たちは中国を憎んでいるわけではないし、同様に日本を憎んでいるわけでもない。 国籍に関係なく私たちはどちらの国も自分の国だと思っています。 習慣や文化の違いはあっても、私たちはみな同じ人間であることを誰よりもよく知っています。 したがって、歪んだ考えを持つごく少数の卑劣な人間の犯罪によって、両国の関係が損なわれることを私は望みません。 私の唯一の願いは、このような悲劇が繰り返されないことです。
航平は以前、私にこう言いました。『将来は父のようになりたい 』と。単なる気まぐれだったのかもしれませんが、父親として、その言葉は私を大いに慰めました。 私は日中貿易に携わり、日本と中国の架け橋となっています。
私の主な仕事は、両者の間にある認識の違いを埋め、円滑なコミュニケーションを図ることです。もしこのような不幸な事件が起こらなければ、彼はきっと私よりも役に立つ人間になっていたことでしょう。 しかし今、私にできることは、彼が誇れる人間になること、そして最愛の息子への償いとして、また犯人への復讐として、日中間の相互理解に微力ながら貢献し続けることだけです。
そして何より、航平に感謝の気持ちを伝えたい。 私たちを両親にしてくれたこと、そして私たちのそばで10年8カ月と7日間を過ごしてくれたことに感謝します。 私たちはこれからも、航平の分まで強く生き、航平のやり残した道を歩み続けます。

小山純平