東京電力要請行動
東電本店では、13名で本店の原子力センターと会見の場を持つことができました。東電は市民団体との会見の場を持つことをひたすら拒否し続けていますが、3.11原発事故前から行動し、20回目となるピースサイクルのこれまでの経過で約1時間15分の会見を行うことができました。
・会見の冒頭に吉野共同代表から「原発事故から13年経って、問題が解決されていないにも関わらず、原発を動かそうとしている。東電も国も全く反省していないのではないか。私たちは9月に30回目の六ヶ所ピースサイクルを実施してきたが、下北半島が核の最終処分場になっているのではないか。誰が責任を取るのか考えてもらいたい」と意見表明し、回答についてやり取りを始めました。主なやり取りは以下の通りです。
① デブリの取り出しについて
質問;取り出した後のデブリの扱いもはっきりしていない。そもそも取り出すことが可能なのか。
東電;ロードマップでは当初、21年10月で計画していたが、間に合わなかった。1時間3~4ミリシーベルトの高線量化で60名の作業員体制で行っていたが、パイプの接続順番を示す数字がビニールで覆われていて気が付かなかった。再度のカメラ投入を試みたが、映らなかった。
原因は電源のオン、オフ切り替えが放射線の影響で不調になったようなので、対応策を検討している。3gの取り出したデブリは茨城に持って行き文責することになっているが、取り出したデブリは、アルプス処理水を保管しているタンクの場所に保管エリアを確保する予定だ。
② 原発再稼働と最終処分場
質問;東電は9月、柏崎刈羽原発からむつの中間貯蔵施設へ使用済み核燃料を移送した。再処理工場が稼働していない中で、青森が最終処分場になるのではないか危惧している。
東電は汚染水問題で漁民との約束を破った。東電への信頼性がない中では物事は進まないのではないか。再処理ができない中で使用済み核燃料を搬出するのは無責任。
東電;安全性を確認するため、柏崎刈羽原発の7号機に燃料を装荷した。
③ 刑事責任を問う裁判や、被害者訴訟について
東京地裁民事部は「東電株主訴訟」で13兆3210億円の損害芭蕉支払いを認めた。責任を取ろうとしない東電役員の主張は責任は無いと考えているのか
東電;訴訟に関することは回答を控えさせていただく。当社としては「福島復興」を原点に
損害賠償、廃止措置、除染に全力をつくすとともに「原子力発電所の安全性強化対策」に取り組んでいく。
④ 汚染水対策について
質問;放水作業は30年かかると言われている。汚染水を遮断する対策をしなければさらに延長されるのでは。
東電;陸側遮水壁、サブトレイン等により地下水位を安定的に管理している。2028年までに50~70m3/日に抑制する計画だ。
⑤ 日本原電、東海第二原発再稼働に向けた東電の財政支援について
質問;日本原電は防潮堤の欠陥工事のため、東海第二の再稼働を2年余延期した。東電自身が破たんしている中でなぜ、安全対策費2350億円を財政支援として負担するのか。
東電:お客様に低廉で安定かつCO2の少ない電気を届けることが重要と考え電源調達先として東海第二から受電できると考えています。
主なやり取りは以上ですが、事故後13年経過した後も、廃炉計画は進まず、逆に火sh和崎刈羽原発の再稼働に向け、青森や、新潟県民の意向を無視し突き進んでいる姿勢が発言の随所に現れています。
申し入れ書では「3.11以降、東電の株価は低迷し、税金も投入されていながら、経営改善の取り組みは厳しい状況で、経営改善ができる道は再生エネルギーへの転換ではないか。貴社の考えを聞かせてほしいとの問いには「電力の安定供給や温室ガスの排出削減、経済性の観点から、再エネ、原子力、火力をバランスよく構成し最適な電源ポートフォリオ(資産を構成するための組み合わせ)を実現する」との回答に止まりました。
2024国会ピースサイクルのまとめ
今年の国会ピースサイクルは、30年目をむかえた六ヶ所ピースサイクルを9月に終えた
10月4日(金)に開催されました。20年目の国会ピースサイクルは、自民党の裏金疑惑に揺れた政治の混迷、ウクライナ、パレスチナ情勢の中での戦争の危機など大きな転機を迎えた政治情勢の中で、私たちの平和を求める声をどう広げていくかが問われた行動でした。
1日行動を通じて13名の参加に留まりましたが、20年間継続した取り組みは多くの重要な視点、課題を明示した取り組みになったと思います。
10月4日、外務省へ提出した申し入れは「徴用工問題と強制動員問題」に絞って要請しました。この問題は決して過去の問題ではなく、日本が過去の侵略戦争をどのように反省し、近隣諸国との間で友好関係を築きあげるために、私たちの歴史認識を質していくうえで避けては通れない問題だからです。外務省からの回答は後日となっています。
内閣府への署名提出は624筆を10月8日提出しました。島根原発の再稼働をこの12月にも強行されるのでないかという情勢の中、島根ピースサイクルを取り組み、署名を実施できたことは、今後の運動にとって一つの成果だと思います。署名行動にご協力頂いた皆様に感謝申し上げます。